「痛くなったら歯医者に行く」よくこのように思われている方がいらっしゃいます。しかし、痛みとは体が発する注意信号。「このままではいけない!」ということを身体が知らせてくれているのです。つまり痛みがでている段階は、すでに病気が進行している状態と言えます。しかも虫歯や歯周病は痛みがない状態で進行することもよくあるので注意が必要です。
進行し重症化してから治療を行うよりも、まだ病気になっていない段階や病気になっていても症状がでていない初期段階で歯医者にかかるほうが、時間もかからず費用も安くすみます。また、一度削ってしまった歯、一度抜いてしまった歯は元に戻りません。大切な歯をできるかぎり残し寿命を延ばしていくには、虫歯にかからないよう予防をしていくことが大切です。
予防歯科はお金がかかる!?
「定期的に歯医者に行くのはお金がかかる」こう思われている方が多いかと思いますが、実はそんなことはありません。痛みや症状が出てから歯科医院に行くよりも、定期的に検診を受けて将来のリスクを予想し、対処していく方が取りうる選択肢も増えますし、結果的にかかるお金の金額は低くなります。
たとえば、「虫歯になって歯を削って」という治療を続けていると、どんどん歯は削られていき、やがては歯のダメージが蓄積して抜歯しなければならなくなります。すると、入れ歯やブリッジ、インプラントなど失った歯を補う治療をしなければなります。また、歯が1本抜けると、抜けたスペースに歯が移動してきて歯並びが乱れてしまうことも……。それによって、矯正が必要になったり、入れ歯やブリッジが合わなく作り替えたりということもあるでしょう。この治療にかかる費用は、定期検診のそれとは比べものにならないほど高額です。症状が重くなるとそれだけお金のかかる治療が必要となってくるのです。しかも、「ご自分の歯」というかけがえのない財産を失ってしまうことにもなります。
「最近歯医者に行ってないな」という方は、ぜひ早めに歯科検診をお受けください。それで問題がないことがわかれば安心です。
予防歯科では、口腔内の健康状態や病気の有無のチェックや、虫歯・歯周病予防のために以下のような処置や指導を行います。
ブラッシング指導 |
歯の形や歯並びなどは一人ひとり違うものであり、それに合わせた方法でブラッシングすることが効果的です。一人ひとりのお口に適した歯みがきを指導します。 |
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フッ素塗布 |
歯質を強くし、虫歯になりにくくする効果を持つフッ素を歯の表面に塗布し、虫歯を予防する処置。定期的に歯科医院で行うほか、ご家庭でも行っていただくことでより効果を発揮します。また、初期の虫歯であれば治癒が期待できます。 |
PMTC |
専用の機器を使用して行う歯のクリーニングです。自宅でのブラッシングでは落としきれないプラークや歯石を徹底的に除去します。また、歯の黄ばみなどのない自然な歯の色を取り戻すことができます。 |
シーラント |
生え替わったばかりのお子さまの奥歯には複雑な溝があり、ブラッシングがしにくく虫歯になりやすい傾向にあります。シーラントは、その奥歯の溝を歯科用樹脂で埋めて、溝に食べカスなどが詰まるのを防ぐ処置方法です。 |
咬み合わせチェック |
咬み合わせや歯の生え具合のチェックを行います。問題があればすぐに治療が必要か判断し、対処していきます。 |
生活習慣指導 |
食事やブラッシングのタイミング、食事の取り方など、口内環境を健やかに保つために生活習慣のアドバイスを行います。 |
定期検診で歯のクリーニングをすることで、虫歯・歯周病などの原因となる歯石やプラークを取り除くことができ、虫歯・歯周病の予防ができます。また、虫歯・歯周病ができてしまったとしても、早期発見・早期治療が可能ですので身体へのダメージも少なく済み、費用も時間も抑えることができます。定期検診で予防ケアをすることが最善の治療と言えるでしょう。
当院では、定期検診を推奨しています。すでにご来院いただいている患者さんには、次回の定期検診に適したスケジュールをご案内しています。たとえ歯が痛くなくても良好な口腔内環境を維持するために、定期検診にお越しください。